冬の香り
「サルビア」
Salvia

古代のローマ人はセージを奇跡の植物と見ていました。ラテン語でサルバーレ

「癒す」という言葉に由来していると言われています。

清浄なその香りは疲労や悲しみを解消するのに有効で、五感を鋭くし、記憶力を向上させてくれます。また殺菌力が高い植物なので、細菌感染全般に効果があるとされています。

バルサムモミはマツ科の常緑樹で、高さ50メートルにも達する大木です。

かつてアメリカンインディアンは、この木の樹脂を医薬品として使用していたという記述があります。爽やかな森林の香りにより、無気力や抑うつから心を回復させてくれます。精油には強力な殺菌作用があることから、吸入することで気管支の不調を和らげるとされています。

イエス・キリストが誕生した際に、東方の三賢人の1人が、贈り物として献上されたと言われているフランキンセンス。香道の世界では「乳香」と呼ばれています。古代はこれが神々への捧げものとして、祭壇で焚かれ、瞑想に使用されていました。優しいその香りは呼吸をスローダウンさせ心を和ませる働きがあります。

セージ・バルサムモミ・フランキンセンス

これらの香りを合わせることにより、一つ一つのオイルの効果よりもはるかに優れた効果、相乗効果があらわれます。アロマセラピーの基本はブレンドです。

1+1=2(イコール)2ではなく、1+1=(イコール)3

これがアロマセラピーの法則です。

「サルビア」は心と身体を癒し、幸福感を呼び起こす香りです。

アロマセラピーに使用する精油は、植物から抽出された自然のエッセンスです。

これは植物の成長を環境に応じて早めたり遅くしたりするホルモンのような働きをするもの、また害虫などから身を守る抵抗力のような働きをするものなど様々で、これらの有機化合物が集まってできたものです。何百種類もの化学成分が存在し、それが私たちを楽しませてくれる芳香成分となるのです。

鼻から吸い込まれた香りの分子は、鼻の奥にある嗅細胞と言われるところに届きます。この情報が電気信号に変えられて、本能の脳と呼ばれる大脳辺縁系に刺激を与え、ここで感情や記憶に働きかけます。そして次に、視床や視床下部に刺激を与え私たちの生理機能や自律神経、内分泌系に働きかけるのです。また、吸い込むことにより芳香物質は肺の中に入り、殺菌・消毒などを行い肺胞からほんのわずかが血液中に入り込み、その成分が身体の中で色々な働きをして最後に

尿は汗となって体外に排出されるのです。

これはどの香りでも同じことが起こります。

忙しい毎日のほんの一瞬、あなたの好きな香りを嗅ぐことにより今までと違う自分を発見したり、世の中が少し違って見えるかもしれません。

冬の香りはいかがでしょうか?

ゆっくり・・・深く・・・呼吸してみてください。 きっと素敵な明日を迎えることができるでしょう。


西山万里
 
進栄化学株式会社 代表

英国IFA認定アロマセラピスト
(社)アロマ環境協会アロマセラピスト、アロマセラピーインストラクター
日本フレグランス協会認定 フレグランスセールススペシャリスト
日本化粧品検定協会認定 コスメコンシェルジュ
鍼灸師