春の香りボタニカルブーケ

レモングラスはイネ科の植物です。しかし香りは柑橘系に分類されます。
レモンと同じ香気成分であるリモネンやシトラールを多く含むその香りはストレスや緊張を緩和し集中力を高める働きがあると言われています。
インドの伝統療法であるアーユルヴェーダでは感染症に効果があるとされ、レモングラスの精油はルームフレグランスにも最適です。
ハーブティーや料理の香りづけに、また、石鹼や洗剤の香料として世界中で愛されているハーブのひとつです。

ゼラニウムはヨーロッパでは古くから厄除けとして庭に植える習慣があり、
グリーンフローラルなその香りは香水や石鹼、化粧品の香りづけに使用されています。また香りの成分としてリナロールなど鎮静効果が期待できるものが多く含まれているため、自律神経やホルモンのバランスを調整し、メンタルケアにも役立つ香りと言われています。
 
アニスはセリ科の薬草で、エジプトやギリシャが原産とされています。
古代エジプトではミイラを作る際の防腐剤として利用されていたと言われています。インドではその種は料理のスパイスとして欠かせないハーブのひとつです。食後の消化を助けるので、ヨーロッパでは食前酒として親しまれています。
甘くオリエンタルなアニスの香りは、心を落ち着かせ、リラックスに導きます。

レモングラス、ゼラニウム、アニス
これらの香りを合わせることにより、一つ一つのオイルの効果よりもはるかに優れた効果、相乗効果があらわれます。アロマセラピーの基本はブレンドです。
1+1=(イコール)2ではなく、1+1=(イコール)3 これがアロマセラピーの法則です。

「ボタニカルブーケ」は光溢れる春の香りにより、優しい心と愛情を目覚めさせてくれるでしょう。

アロマセラピーに使用する精油は、植物から抽出された自然のエッセンスです。
これは植物の成長を環境に応じて早めたり遅くしたりするホルモンのような働きをするもの、また害虫などから身を守る抵抗力のような働きをするものなど様々で、これらの有機化合物が集まってできたものです。何百種類もの化学成分が存在し、それが私たちを楽しませてくれる芳香成分となるのです。

鼻から吸い込まれた香りの分子は、鼻の奥にある嗅細胞と言われるところに届きます。この情報が電気信号に変えられて、本能の脳と呼ばれる大脳辺縁系に刺激を与え、ここで感情や記憶に働きかけます。そして次に、視床や視床下部に刺激を与え私たちの生理機能や自律神経、内分泌系に働きかけるのです。また、吸い込むことにより芳香物質は肺の中に入り、殺菌・消毒などを行い肺胞からほんのわずかが血液中に入り込み、その成分が身体の中で色々な働きをして最後に
尿は汗となって体外に排出されるのです。

これはどの香りでも同じことが起こります。
忙しい毎日のほんの一瞬、あなたの好きな香りを嗅ぐことにより今までと違う自分を発見したり、世の中が少し違って見えるかもしれません。

春の香りはいかがでしょうか?
ゆっくり・・・深く・・・呼吸してみてください。
きっと素敵な明日を迎えることができるでしょう。


西山万里
 
進栄化学株式会社 代表

英国IFA認定アロマセラピスト
(社)アロマ環境協会アロマセラピスト、アロマセラピーインストラクター
日本フレグランス協会認定 フレグランスセールススペシャリスト
日本化粧品検定協会認定 コスメコンシェルジュ
鍼灸師